最後の花束

最後の花束 同一作家の短編集
最後の花束

最後の花束

愛に憑かれ、恋に狂わされる…感情が静かに、しかし確実に女たちを追い詰めていく…理性は少しずつ崩れ、日常は音もなく軋み始め、やがて誰にも止められない破滅へと向かっていく。

ひとりの少女は、大阪へと転居してまで年上の愛人を追いかける。家も家族も将来も、すべてを後回しにして…またある女性は親友の婚約者にどうしようもない欲望を抱き、友情と倫理の境界を軽々と踏み越える。

最後の花束
最後の花束

また職人の夫の浮気を疑った妻は、夫が心血を注ぐ提灯に“炎”という名の復讐を宿し、嫉妬と怒りの感情に身を焦がす…そして、どこにでもいる地味なOLは、あっという間に垢抜けた同僚に激しい嫉妬を抱き、次第に自分を見失っていく…。

この短編集を読んでいて、人はここまで狂えるのか?誰かを強く求めるその気持ちが、どこまでも醜く、どこまでも切ない…そんな印象を受けました。

心の闇に寄り添い続けてきたサスペンスの名手・乃南アサが描く、女たちの“愛”と“狂気”の物語を綴った短編集になっています。単行本未収録作品を含め、数ある短編から厳選された傑作集なので、どの話も読み始めた瞬間から、物語に入りこんでしまいます。

そして読後は、じわりと胸を締めつけるような余韻が残る、最高の短編集かと思いますので、ちょっと怖い女性の本音!?みたいな部分に興味のある方は是非♪

◎掲載内容(もくじ)

  • くらわんか
  • 祝辞
  • 留守番電話
  • 青空
  • はなの便り
  • 薬缶
  • おし津提灯
  • 枕香
  • ハイビスカスの森
  • 最後の花束

乃南アサさんの主な作品

『凍える牙』

『シャボン玉』

『いつか陽のあたる場所で』

『すれ違う背中を』…ほか。

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