ふと耳にしたあのメロディだけで、胸の奥にしまっていた想いが一気によみがえる…取り返したかったあの瞬間の空気、信じていた運命の恋、今も心に残る後悔、そして…忘れられない異国の風景…もしも願いが叶うのなら、もう一度だけあの頃に戻ってみたい。
そんな切なくも美しい感情を呼び覚ます“永遠の名曲”たちが、新たな物語として生まれ変わりました。
本作は、日本の音楽界を代表するアーティスト、ユーミンこと松任谷由実の名曲の数々をモチーフに、6人の作家たちが紡いだトリビュート小説集です。

ひとつひとつの物語には、あの曲を初めて聴いたときのときめきや、何気ない日常にふと流れてきたときの感傷が、まるで魔法のように織り込まれています。
楽曲の世界観を下敷きにしながらも、どの作品も独立した“人生の断片”として心に深く刺さり、読んだあとにその曲をもう一度聴きたくなる、そんな不思議な余韻を残します。
音楽と文学——ふたつの芸術が重なり合うことで生まれたこの一冊は、まさに唯一無二。ユーミンの名曲たちに心を揺さぶられたすべての人へ贈りたい、記憶と想像力の旅です。
◎掲載内容(もくじ)
- あの日にかえりたい(小池真理子)
- DESTINY(桐野夏生)
- 夕涼み(江国香織)
- 青春のリグレット(綿矢りさ)
- 冬の終り(柚木麻子)
- 春よ来い(川上弘美)
ページをめくるたび、あなたの“あの頃”がそっと呼び起こされるかもしれません。これは、読むことで音楽がもっと深くなる物語。そして、音楽とともに読むことで心に沁みわたる小説集です。

コメント