どうして人は恋におちた瞬間、それが『恋』だと分かんでしょう…初めての感情のはずなのに、まるでずっと知っていたかのように心がそっと名前を与える『これは恋だ』と。
三角関係、同性愛、片思い、禁断の愛…この世界には、無数の恋のカタチがあります。そのどれもが特別で、どれひとつとして同じものは存在しないし、いくら言葉で定義しても、その複雑さと美しさを完全には言い表せませんよね。
それでも不思議なことに、人は生まれながらにして『恋』を知っている。それがどんなカタチでも『これは恋だ』と気づける力を持っています。

誰かを強く、深く、大切に思うとき…胸の奥で静かに光がともって、それは形やルールに縛られない、ただひとつの特別な光になる。その光は、出会いの中でふと輝き別れの中で、なお消えず私たちの感情の宇宙を限りなく広げていく。喜びも、切なさも、嫉妬も、憧れも、すべてがその光に照らされて、恋という奇跡を私たちに見せてくれる。
この短編集には、そんな“恋の光”があちこちにちりばめられています。一冊の中に、さまざまな人間模様と感情の機微が、繊細に、時に激しく描かれていて、それぞれの物語が『恋とは何か?』という問いに対して、別々の答えを提示してくれます。
読むたびに、自分の中の記憶や想いが呼び起こされ、忘れていた感情に、そっと触れることになるのではないでしょうか。これは、恋に揺れ、恋に傷つき、恋に救われる、すべての人へ贈る、最強の恋愛短編集です。
また一話目の『永遠に完成しない二通の手紙』と最後の『永遠につづく手紙の最初の一文』という物語…実は繋がっていたりする!?意識して読んでみると面白いかなと思います( ̄▽ ̄)
◎掲載内容(もくじ)
- 永遠に完成しない二通の手紙
- 裏切らないこと
- 私たちがしたこと
- 夜にあふれるもの
- 骨片
- ペーパークラフト
- 森を歩く
- 優雅な生活
- 春太の毎日
- 冬の一等星
- 永遠につづく手紙の最初の一文
カタチにとらわれず『ただ誰かを愛した』というその気持ちだけを、まっすぐに描いた物語たちです。あなたの心にも、きっと、あの光が宿るはず…(´▽`)
著者:三浦しをんさんの主な作品
『船を編む』
『風が強く吹いている』
『まほろ駅前多田便利軒』
『神去なあなあ日常』
『月魚』
『愛なき世界』など…

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